最近テレビや新聞、雑誌などのメディアで多く取り上げられている「メタボリック・シンドローム」
しかし、よく耳にする言葉だけど内容はあまりよく分らないという方も多いのではないでしょうか。
☆ まず、メタボリック・シンドロームってな~に?
最近の研究では、肥満症や高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病はそれぞれが独立した別の病気ではなく、特に内臓に脂肪が蓄積した内臓脂肪型肥満が原因であることがわかってきました。
このように、内臓脂肪型肥満によって、さまざまな病気が引き起こされやすくなった状態のことをいい、メタボリック(Metabolic)は「代謝」を意味し、シンドローム(Syndrome)は「症候群」を意味します。
直訳すると「代謝異常症候群」という意味になります。
☆ 自分はメタボリック・シンドロームなの~?
メタボリック症候群の診断基準は
であり、それに加えて
の3項目のうち、2つ以上あてはまればメタボリック症候群だということになっています。
また、このメタボリックシンドロームの診断基準から、内臓脂肪の蓄積が必須条件であることがわかります。
☆「洋ナシ型肥満」と「リンゴ型肥満」
肥満は体のどの部分に脂肪がつくかによって大きく2つのタイプに分かれます。
下腹、腰、太もも、おしりのまわりの皮下に脂肪が蓄積し、ウエストはくびれているが下半身がふっくらしているタイプを「皮下脂肪型肥満」、内臓のまわりに脂肪が蓄積し、お腹だけぽっこり出ているタイプを「内臓脂肪型肥満」とよびます。
体形からそれぞれ「洋ナシ型肥満」「リンゴ型肥満」ともよばれています。
この2つのタイプのうち、「皮下脂肪型肥満」は外見から明らかにわかりやすいですが、「内臓脂肪型肥満」は外見ではわからないことがあります。
そこで、当院ではX線CT検査により手早く内臓脂肪を測定する方法をとっております。基準であるおへその辺りを数スライス撮ることにより、わずか数分で最も正確な脂肪測定ができます。
☆最後に
現在、日本人の3大死因である「ガン」「脳卒中」「心臓病」のうち、「脳卒中」と「心臓病」の循環器疾患を引き起こす原因は「動脈硬化」だと言われています。
この「動脈硬化」は生活習慣病を起こす引き金となる内臓脂肪が大きく関わっており、内臓脂肪をコントロールすることがとても大切になります。
自分の身体の状態を把握し、生活習慣を見直すことにより、健康の維持増進に努めましょう。