健康だより

お薬手帳のすすめ

2009/11/27

 当院が院外処方箋を発行するようになってから、数年が経ちました。患者の皆さんが保険薬局の窓口で処方箋を提出されるときに、「お薬手帳はお持ちですか?」と尋ねられたことはありませんか?お薬手帳をまだお持ちでない方も、一応持っているけど「何の役に立つの?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。

◆お薬手帳とは

 自分が服用しているすべての薬の名前を正確に覚えておくのは、なかなか大変です。お薬手帳は処方された薬の名前、分量、服用回数、日数などの記録を残すためのものです。市販薬、健康食品、サプリメントについても自分で記入しておきます。
 医療機関を受診されるときに持参されると、医師・歯科医師は患者さんがどのような薬をどれくらいの期間服用していたかがよくわかり、薬の処方がしやすくなります。特に複数の医療機関に通院する場合、同じような薬を重複して処方されて副作用が出たり、飲み合わせの悪い薬を処方されることが防げます。また、抜歯、検査、手術の前に中止しておく薬についても的確な指示を出しやすくなります。保険薬局でも患者さんがお薬手帳を持参されると処方箋のチェックがしやすくなります。

 

◆お薬手帳の活用法

 手帳への処方内容の記録は保険薬局が行います。基本情報として氏名、生年月日の他、市販薬や健康食品の使用歴などを自分で記入します。副作用の出る薬、食べ物のアレルギーも必ずその内容を記入しましょう。例えばある薬を飲んで、余計に具合が悪くなった、息苦しくなった、唇がはれた、動悸がした、発疹が出た、眠くなったなどの症状がでたら、医師・薬剤師に伝えることはもちろんですが、お薬手帳にも必ず記録しておきます。その他に、次の受診の時に医師や薬剤師に伝えたい事柄などを書きとめておいてもいいですね。
 受診時、特にかかりつけ以外の医療機関を受診する際は必ず持って行きましょう。入院時にも持参してください。旅行・出張の時も念のために携帯しましょう。
 お薬手帳は一人一冊です。薬の重複や相互作用を避けるための手帳ですので、病院ごとや薬局ごとに手帳を分けないで一冊の手帳に継続的に記録します。お薬手帳そのものは保険薬局でもらえます。当院でも入院患者さんが退院されるときにお渡しすることができます。処方内容を保険薬局で記入する度に保険区分により若干費用がかかりますが、数十円程度ですみます。

 

◆お薬手帳のいろいろ

患者であるあなたが安心して薬物治療を受けるための手段の一つとして、お薬手帳をうまく活用してください。

~担当は薬局でした~