骨粗鬆症の治療は栄養、運動、薬物療法です。
今回は運動療法についてご紹介したいと思います。
運動を行わなかった場合、血の流れが悪くなり、骨のカルシウム量が少なくなり、簡単に骨折しやすくなります。高齢の方に多い骨折として、橈骨遠位端骨折、大腿骨頸部骨折、脊椎椎体圧迫骨折などがあります。これらの骨折をすると運動をしない時間が増え、さらに骨が弱くなってしまいます。
骨を強く(骨密度の増加)するためには、運動をすることが大事になってきます。
運動をすることで、骨に刺激を与え、骨細胞を活性化させ骨密度が増加します。また、運動は骨量を増やして骨粗鬆症の予防になるだけでなく、すでに骨粗で薬物治療をしている人にとっても、治療の効果を高めることにつながります。また運動は骨密度の増加に加え、転倒も予防します。
では今回は実際に運動例を2つご紹介します。
この2つの運動はロコモーショントレーニング(ロコトレ)でも紹介されています。
①スクワット
《回数》10回を1日3回程度
注意点:机と椅子はしっかりとして動かないものを使用しましょう。
つま先は踵から30度くらい外に開きます。
立ち上がりの時やしゃがむ時は膝がつま先より前に出ないようにし、
膝の曲がる向きは足の第2趾の方向にします。
②開眼片脚立ち練習
《回数》左右20秒を1日3回程度
注意点:机と椅子はしっかりとして動かないものを使用しましょう。
転倒予防のため、足は高く上げすぎないように注意して下さい。
※治療中の病気や怪我があったり、体調に不調ありときは必ず医師に相談して
から始めましょう。
また無理をせず、転倒のないように自分の身体の状態に
合わせて運動を行ってください。
なお、運動中や運動後に痛みを感じた場合は運動を中止し、医師に相談しましょう。
他にも、散歩やグランドゴルフ、ラジオ体操などの趣味を通じた運動でも、骨密度を増やすことができます。また、普段の生活の中で階段を使ったり、近所の買い物は歩いていくなどのちょっとしたことでも骨密度は高くなります。
平成27年2月
理学療法科