骨粗鬆症は多くの要因が関与して発症する疾患で、遺伝要因と生活習慣が発症に大きく影響します。骨粗鬆症の危険因子には、加齢・性(女性)といった運命的なものと、カルシウム摂取量の不足や運動不足といった生活習慣に関わるものです。しかしどちらの危険因子があっても、生活習慣の改善で危険因子を出来るだけ少なくすることが骨粗鬆症の予防につながります。
骨とカルシウム
カルシウムは体重の1~2%を占め、その99%は骨と歯に、1%が血液や細胞内に存在します。血液中のカルシウムは、血液の凝固・筋肉の収縮・神経伝達など多くのことに関与しています。又骨は、新しい骨を作る骨芽細胞と古い骨を壊す破骨細胞によって、常に作り変えられています。これにより血中のカルシウム濃度を一定の範囲に維持しています。慢性的にカルシウムの摂取量が不足すると、骨吸収が骨形成を上回り、カルシウムを主成分とする骨の組織がスカスカになります。そこで必要なカルシウム量を摂取することが重要になります。
カルシウムの望ましい摂取量
日本人の食事摂取基準[2010年版]において、推奨量が示されました。又一方でカルシウム強化食品やサプリメントの過剰摂取による健康障害の事を考え、耐容上限量が示されました。不足しないそして過剰にならない、望ましい量を摂取することが大切です。
骨粗鬆症予防の食生活のポイント
骨の主成分カルシウムだけ取ればよいとゆうものではありません。摂取したカルシウムが効率よく吸収されるには、ビタミンD・マグネシウム・リン・たんぱく質など様々な栄養素が必要です。そのためには1日3回の規則正しく、バランスの良い食事と牛乳・乳製品の摂取がポイントです。
1、バランスの良い食事とは
・主食(ごはん・パン・麺など)
・副菜(野菜・きのこ・いも・海藻料理)
・主菜(肉・魚・卵・大豆料理)
のそろった食事のことです。
2、牛乳・乳製品を適量(1日に牛乳ならコップ1杯(200ml程度)取りましょう
又、骨ごと食べられる小魚(しらす干し・桜エビ等)も重要なカルシウム供給源です。
ただし、しらす干し等の食塩を多く含む食品の取りすぎは塩分の過剰摂取につながるので注意しましょう。
骨粗鬆症の予防は、身体活動を増加し適正体重を維持しながら他の生活習慣病の予防と同様、食事にもしっかり注意することが大切です。
[表1]
カルシウムの食事摂取基準(mg/日)
出典:e‐ヘルスネット(http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-007.html)